責任と恩恵のバランスこそ、正規雇用ライフ。

『日本人はとにかく組織に架空の責任を負わせたがり、個人の責任を宙に浮かせたがる。トラブルが起きたときはみんなで「どうしよう」と言い合うが、誰ひとりとして問題を解決しようと勇敢に立ち上がることも、みんなで団結して問題に蹴りをつけようとすることもない。』
中国人の質問サイトでの、「日本のダメなところ」との質問に対するベストアンサーの一節だ。→参照元

楽でいたり責任を回避するのもいいことだけど、同時にリスクを負っている覚悟も必須だ。
私は、日本が衰えているとされる大きな理由の一つが、正規雇用制度が普及し過ぎたことだと考えている。自覚無きサラリーマンが増えすぎた。

そもそも正規雇用は、組織責任の一部を継続的に担うことへの代償として、定期的な報酬と長期の労働環境を保証した制度のはずだ。
が、法的にも守られ過ぎた結果、『大きな失敗なく過ごせば、給料は出続ける。』と、解釈を間違われるケースが続出した。決まってお金が出る恩恵は、様々な人の苦労で積み立てられた結果であるとの感謝を忘れた人が、大きな割合を占めるようになった。
逆に、正規雇用を盾に日に陰に残業を強いる、悪質な社風や経営者も多々存在する。その意味でも、危険な側面を有しているから、責任と恩恵(権利)のバランスには、常々気を付けねばならい制度である。

私もまた、責任と権利のバランスを考えられなくなっていた。東日本大震災の年の暮れに正規雇用制度から離脱して以降、おかげさまで色々と考え動き、時間はかかりながらも様々な人・物事への感謝の気持ちが回復した。

正規雇用を受けたり提供している方はもちろん、正規雇用に憧れている方も、責任と権利のバランスについて考え直してほしい。

言葉を重ねるが、正規雇用を受けつつヒマしても楽してもいい。が、その分文句を言わないとか、有事の際には周囲を助ける心づもりを常にしておくとか、小さくても微々たることでいいから責任や義務を負うようにすれば、それでいいだろう。
イザという時の備えに、あえて社員や職員を遊ばせておくこともまた、正規雇用制度の長所なのだから。

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