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函館に、原発に伴う廃棄物の件で出張

少し前にも告知させていただいたものの、避けたくなる話題であることには変わりありません。が、避けて通れない話題です。国や電力会社に任せきる覚悟のある方は、特に知らなくてもいいでしょうし、私も無理に説明はしません。というわけで、ざっくり説明します。

前提として、私は、高レベル放射性廃棄物の地層処分についての地域リーダー意見交換会のメンバーに名を連ねております。経済産業省資源エネルギー庁によって年に2回ほど開催され、各地の活動家や企業人が招集されます。直近の回が、去る11月18日に函館にて行われたため、この記事を書かせていただくものです。

概要・地層処分と直接処分について◆◆

ここでいう高レベル放射性廃棄物とは、原子力発電で使用された燃料から、発電に再利用が可能なウランやプルトニウムを取り出す、再処理の過程で生じる廃液などだと思ってください。この廃液などを、40年ほど貯蔵施設(日本国内で青森県六ケ所村に存在、周囲は風力発電銀座でもある)にて熱を冷まします。そのうえで、ガラスで固めて物質を安定させ、さらに金属製のパックに閉じ、地表から300m以上の地下に埋めるのが、地層処分です。
あれ、再処理を続けるの、まだまだ原発を続ける前提だろう・・・
とお察しの方もいると思いますが、これが難しい。仮に廃炉ラッシュをかけたうえで、そのまま使用済み燃料を廃液などと同じように地中深く処分する(これを日本では「直接処分」と言い分けています)場合、すぐ核兵器に転用できる物質をため込むことと同義になってしまいます。

まとめると、
地層処分のみだと、再処理が前提で全面廃炉から遠ざかる
燃料の直接処分だと、核兵器製造の可能性を残す
という、何とも二律背反な話です。
※このロジックは、タブーとされている議論に触れるので、公には取り上げられませんが、この近藤は純粋に私人ですので、言ってしまいます。

温暖化かつ戦争の原因となる石油にも、大きすぎると自然破壊の要因になる水力にも、依存しないつもりで手をだした原子力。エネルギー源のない島国が、爆弾の惨禍を味わった我が国が、なんとか欧米とやり合うべく工業化してきた宿命というほかありません・・・

政府・電力会社関係の動き(兼リンク集)◆◆

以上のこともあり、日本政府(資源エネルギー庁)および、9電力会社など原発を行う事業者による拠出金で運営されるNUMO(原子力発電環境整備機構)では、地層処分を進めています。(もちろん直接処分も、日本原子力研究開発機構などで研究されています)地層処分の専門機関であるNUMOの始動は意外と遅く、2000年に成立した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、同年10月に設立されています。
それが今年の6月になって、処分地の選定を前にして、地層や地下資源、断層などの色付けをした「科学的特性マップ」を公表しました。資源エネルギー庁・NUMOはこのマップを説明すべく、私が参加している地域リーダー意見交換会とは別途に、福島県を除くすべての都道府県で、一般向けの意見交換会を開いています。(10月26日の投稿でも紹介した催しです。11/22時点で半分ほどの地域で未開催で、申し込みも間に合うようです。)

今秋開催の意見交換会における学生動員問題◆◆

ところが、開催済みの一般向け意見交換会で、金品や便益との引き換えで参加していた学生の存在が発覚しました。
報道された内容ですので、両機関の責任者より得られた情報から、私なりに説明させていただきます。

事件が発覚した11/6の埼玉会場まで、計10回の意見交換会が開催されました。うち、NUMOから委託を受けた(株)地域力活性化研究室から、さらに再委託を受けた(株)オーシャナイズによる学生の動員がみられたのは、東京、愛知、大阪、兵庫、埼玉の5か所。兵庫までの4か所は委託業者が学生団体などに対して行っている便益(事務経費の負担や協賛など)との引き換えによるもので、謝礼や物品の供与まで学生が示唆されたのは埼玉会場のみだったとの説明です。
ちなみに、私が二人の学生を誘った奈良会場(11/1)は、一次委託先や再委託先による動員はなかったとの説明でした。確かに、報道陣を含め66名とされる参加者のうち、この近藤は下から数えて10番以内であろうという高齢化ぶりでしたので、委託業者が勝手に焦ったとしても、仕方がないと言えば仕方がありません。

仕方がないで済まされないのは「金品と引き換え」での動員です。
民間企業であれば、商品モニターとして何らかの謝礼を渡すことはありますが、この会は、地域政治にも絡むテーマについて、政府が「自発的な」意見を聴取するものです。金品で意見を「誘導」した疑問が残ってしまっては、今後の展開に対する信用が損なわれたとしても、まさに仕方がないでしょう。

18日に函館で行われた地域リーダー会では、当初の予定を変更の上、この件について大きく時間が割かれました。各参加者からは、様々な非難や批判が噴出しました。

私・近藤から、資源エネルギー庁およびNUMOの担当者に述べた意見は、以下の通りです。
・晩も開催すればいい。平日昼間にしかやらないから、委託業者が集客に追い込まれる。
(参加者数を追い求めるからいけないとの意見の後で)
・学生だけが若者ではない。平成生まれの社会人などにも目を向けてはどうか。

両担当者からは、すでに反省点を挙げられましたので、(最もうるさいとされるらしい)私からは、非難よりも事後策を挙げるようにしています。いずれの内容にもご納得いただいた反応でした。それでも行政の慣習上、いったん決まった開始時間を繰り下げることは難しいかと思われ、今年中の会での実施はあまり期待できません。(というより、期待しないようにしています。)

私自身は、世耕弘成経済産業大臣のように、この件に委託業者を使うなとまではいいません。開催時刻を見直したうえで運営・広報等の委託にとどめ、それでも参加者が来ないなら「国民が悪い面もある」と割り切る姿勢も、時にはありでしょう。
もちろん、一時的にでも委託業者を使わないことで、広告代理店など民間ならではの行き過ぎたプレイを見直すきっかけにはなります。一次委託業者である地域力活性化研究室は電通からの受注も多いとされ、NUMO自身からも電通・博報堂への発注がみられますから、『民間への告知は、民間の営利企業でないと』的な諦めもあったのでしょう。
せっかく、地域リーダー向けの意見交換会があるのですから、私を含め活用いただければと思います(勝手に動いていますが)。もしかすると、NTT出身でもある世耕大臣は、ITなどによる個々のコミュニケーションの広がりも見据えて、委託は使うな発言をされたのかもしれません。

さらに私見ながら、学生への交通費支給はあって良いと考えます。この20年間前に比べ物価上昇が1%以内で収まっている状況で、大学学費だけは国公立私学ともに15%ほど上昇しています。いくら年間十数万円程度の違いとは言え、原発の恩恵にあずかっただけである私より上の世代との格差を埋めるためにも、必要な措置かと思います。
もちろん予算に限りはありますので、始めから交通費のみ支給をうたい、定員を設けたうえで学生だけの意見交換会を設置していれば、もっと穏健な形で学生を集められたでしょう。(実は「学生だけ」だから集まりやすかろうというのもポイントですが、この点は別でお話ししたく思います)

なお、地域リーダー会については招集される立場になりますので、この私も、交通費支給と宿泊手配を受けております。だからこそ少しでも税金の有効活用に寄与すべく、この記事を書いている次第です。先ほど純粋な私人とはいいましたが、経費とはいえ公費をいただいた時点で、公人としての性質が発生します。

以上を受けて、ケイゾクエナジーと私人・近藤の動き◆◆

この話題を直接扱う会をしばらく行っておりませんでしたが、かえってやってみようかと思います。→2018年2月11日、大阪でやります。
私自身も自由に意見を述べやすくするためにも、事務経費や教材作成を補助する仕組みは使わないでおきます。政府・電力会社系からのサポートは、既存教材の無償提供や専門家の派遣にとどめるような形で考えております。ご興味や場所のご提供などご協力のお申し出などあれば、心強いです。

引き続き、ケイゾクエナジーをよろしくお願い申し上げます。

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日本各地)高レベル放射性廃棄物の地層処分「科学的特性マップ」意見交換会のお知らせ

ひさびさに、エネルギー関係のお知らせです。
経済産業省資源エネルギー庁による「放射性廃棄物の地層処分」意見交換会が、全国各地で開催されます。関西では、10月30日から4日間のうちに、和歌山、大阪、奈良、兵庫の順に行われます。(京都・滋賀は未定のようです)
http://www.chisou-sympo.jp/iken2017/
同庁が地層処分に関する「科学的特性マップ」を公開してから、初の全国行脚となるものです。

全ての原子力発電所を即時廃炉に持ち込もうが、この私が生まれるずっと前から存在する高レベル放射性廃棄物。まさに原発は「トイレ無きマンション」といわれますが、確かに最終的な処理手段が確保されていない状況です。処理といっても、放射能の半減期を短くする核種変換などを確立させるなど、一段上の技術発展が必要です。
つまり、不確実な技術発展を期待するよりも、まず確実な隔離策が要求されています。それで、地中で安定していたもものは地中深くに返せとの考えが、国際的にも主流となりました。日本独自の技術もふまえて、20年来の研究が積み重ねられた結果、今回の「科学的特性マップ」は、『ここは処分場にできひんやろ』を判定していったものといえます。

日本で原発が運転されて半世紀以上。先輩方の対応不足や先見性の無さに、今さら恨み言を言っても仕方がありません。どうしようもなく高いリスクがある一方、戦争の火種にもなる石油確保競争を避けたり、CO2 の抑制になるなど、その恩恵は日本に住む誰しもが受けてきたはずです。
まずは政府の説明や見解を聞き、いろいろと申し立ててみてはいかがでしょうか。選挙よりも直接的に伝わるかもしれず、その点では興味深い場になるでしょう。

なお、以上の文章は私・近藤の見解も含まれており、日本政府の見解と関係はございません。私自身もワークショップを担当していた縁で、告知させていただいています。

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儲からないビジネスを考える会#02動画

10月21日に開催した「(お金が)儲からなくとも(他で儲かる)エコなビジネスを考える会」の一節です。

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若者による自民支持増は当然?

他の世代に比べ、20代までの投票率が低いことと、投票しても自民党への支持が高いと聞きました。私は、むしろ自然なことかと思います。

若い方ほど、「産業革命以来の経済成長を継続を前提とした社会システム」の恩恵を受けたことがないでしょう。
これらのシステムは、先進国ほど終わりつつあります。例えば、正規(終身)雇用制度や生活保護・年金・国民皆保険など『政府や大企業による富の分配』は、立ち行かなくなってきたシステムの代表例。さらに、グローバルでもローカルでもない半端な『国民国家』思考や、代議制(democracy)の誤訳といえる『民主主義』もだってそうです。地元選出の議員への陳情より、”日本死ね”のようにネット経由のほうが意見が通ったりします。国内だけでなく、海外にも。
皮肉にも、システムの継続をうたっているのがどちらかといえば野党であり、たとえ極論や愚策であっても「現状打破」をうたっているのが自民党や維新の会などのように思われます。

ハッキリ言えば、自民が革新で、社民や共産が保守という逆転構造になった。
立憲民主がうけているのは、枝野代表への信頼感だけでなく、大臣など政権運営の経験がある人々が改革側かつ革新系を名乗っているという、構図のわかりやすさもあるでしょう。こうなれば、長年理想論を押し通してきた共産の支持が食われるもの当然かと。

シェアに個人間取引、法人格なきビジネスなどなど、政府や企業の仕組みを介さない動きがもっとあっていい。過去の思い出、いや成功体験にとりつかれた幻想で、終わりつつあるシステムを押し付けるのはやめましょう。違和感を持つ若者は、反論しなくとも穏健に無視し続けることでしょう。

変わらなければいけないのは、私を含めた昭和以前生まれの年長者です。
ご賛同あるいは疑問をお持ちの方は、10月21日14時からの『儲からなくともエコなビジネスを考える会#2』にお越しいただければ、なお幸いです。

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総選挙。迷ったら、好き嫌いでもいいから投票を。

私・近藤大介は、いかなる人でも受け入れるような菩薩のような心を持ちあわせていない。自分だけでなく家族や大切な友人に対して迷惑を積み重ねたりされれば、遠ざけることがある。一方で、好き嫌いを表さない方が良い場面が多々あることも知っている。
選挙は、公的に好き嫌いの表明ができる機会だ。政策や価値観、方針で候補者や政党を判断するのが王道だが、ホンマにわからないときは、好き嫌いで投票すればいい。棄権よりはマシだ。本能の直感が、理性の判断による精度を上回る時だってある。

もちろん、好き嫌いでの投票が増えれば、ポピュリズムというか、人気だけで権力が移動する弊害も生まれるだろう。
・・・それでもいい。たとえ政策や行政判断の変化に対応するデメリットが生まれたとしても、エスタブリッシュメント(以前からある支配階級)の方々にずっと権力を握られているよりはマシだ。多少は政治が混乱してくれたほうが、資産や血脈などを持たない人にチャンスが生まれやすい。少なくとも『機会の平等』には近づく。

それでも私は、以前の大阪都構想市民投票には反対票を投じた。結局のところ、大阪府(都)に財源や権限を集中させる案だと判断したためだ。提案者である、その時点での維新勢力は”エスタブリッシュメント”でなくとも、権力が集中した機関をまた増やせば、別のエスタブリッシュメントが登場する可能性を増やすことにつながってしまう。東京都のようなものをつくってどうするのかと。
まさに、東京都知事の小池百合子氏にも、残念ながらエスタブリッシュメントを目指す匂いがしてきた。徹底した情報非公開かつ、党内選挙のないうえでの希望の党代表就任。ちゃんと不祥事まで出てくる維新のほうがよほどいい。日本維新の会(おおさか維新の会)は、曲がりなりにも7年以上におよぶ行政責任を負った実績もあるし、自民が弱いわけでもない大阪だから、突出して強い勢力ではなくなっているのも程良い。何より、創立者の橋下氏自身がすでに退いている(もちろん影響力はあるが)。

ここまで書いておきながら、私は大阪維新の会を支持してはいない。
が、私は最小限改憲論者である。てにをはの矛盾修正と条文の追加は環境権項目ぐらいにとどめ、手続き上でも自主憲法とするために国民投票を行ってほしいと思うのだが、ちょうどいい政党がない。この点だけで強いて挙げるなら、維新や公明あるいは「LGBT関連の修正で改憲なら歓迎(辻元清美氏)」と言っている立憲民主だったりする。
要は、自民の強行派と小池氏以外なら誰でもいい。と思って自分の選挙区の候補者をみると、自民候補が元小池氏秘書だったりする。結局私は、好き嫌いではなく条件で決めてしまうことになりそうだ。。

あくまで以上の話は、近藤個人の考え。全くお勧めするつもりはありません。いったんお忘れください。
選挙期間は明後日20時まで。政府には頼るつもりがないなど何らかの覚悟がある方以外は、投票しましょう。

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